岐阜県失語症者意思疎通支援事業では、失語症当事者の皆さんが外出する支援を行っています。
これは、「意思疎通支援者」という、特定のカリキュラムを受けた支援者を、当事者さんのご希望の場所に派遣して、コミュニケーションのお手伝いをするというものです。
具体的には、
・診察
・買い物
・行政手続き
などのお手伝いが多いですが、多くの当事者の方々が「こんな事でお願いしてもいいの?」と、逆に不安に思っておられるという事もよく聞きます。
例えば
・初めての病院。検査を受けるだけだけれど、一人だと不安
・書類のサインをするだけだけど、読むのが大変
・喫茶店で、コーヒーを頼みたいけれど、だれか一緒にいてくれると安心
というような事など。
大きな大事なイベントや手続きなど、一大決心をしてお申込みしてくださるのも、たいへん光栄なことではありますが、むしろ、日常の「ちょっと不安」を解消するために利用していただきたいサービスです。
病院の待合室にて
だいたい、病院では「番号」で呼ばれる事が多くありますが、この「番号」を聞き逃さないために、ずっと気を張っていなくてはいけないのは、なかなかのプレッシャーですよね。
支援者が隣にいて、聞き逃さないように気を付けてくれているだけでも、すごく安心するものです。(病院に限らず、銀行とかも番号で呼ばれますよね)
あるいは、検査でレントゲンや採血のために、検査室に行かなければならない時。
受付の方が道順を説明してくれるけれど、これがまた覚えるのが大変!!という時も、支援者が一緒にいれば、迷わずに目的の場所まで安心して進むことができます。
(病院の中は、迷路のようなところもあるので、もしかしたら支援者も間違えるかもしれませんが、間違えたとしても、一人でなければ、そこまで不安にならずにすみますね)
説明書や同意書のサイン
書類関係のサインは、大変。文章が複雑でわかりにくく、文量も多い。
あるいは、文字を書くという事自体が苦手で、名前を書くのも手伝ってもらいたい。
そんな時に、支援者がリードしてくれると、少し安心。
詳細をつぶさに説明されても、許容量をオーバーしてしまうようなときに、要点をまとめて解説してくれたり、メモをとって渡してくれたり。
そんなお手伝いがあると、緊張の場面でも気持ちに余裕ができるのではないでしょうか。
喫茶店の注文、本当はコーヒーじゃないものを頼みたいけど…
毎日、楽しみにしている喫茶店。
時には、いつもと違う店、いつもと違うメニューを頼みたいという時もあるでしょう。
「今日は、これにします」とか
「おすすめはなんですか」とか。
少し店員さんとコミュニケーションをとって注文が出来たら、楽しさもアップできそうですよね。
いつも変わらない、ということも、もちろん嬉しいことなのですが、支援者が一緒なら、ちょっと変化をつける勇気もわいてくるかもしれません。
当事者のみなさんの日常にある「ちょっと不安」を解消
岐阜県失語症者意思疎通支援事業は、当事者の皆さんの日常の中にある、大きなハードルを乗り越えるためのお手伝い、だけではなく
「自分でできなくもないけど、ちょっと不安」
を解消するためのサービスとしても、大いに活用できます。
「こんなこと、相談していいのかな?」という事も、まずはお気軽にお問い合わせください。
なお、ご利用に際しては、事前の「利用者登録」が必要です。あらかじめ登録していただい
ておくと、いざ、支援者の派遣をお願いしたいという時に、あわてなくても済みます。
是非ご登録&ご利用ください。お待ちしています!